2002.1.31 更新

2001.9.11(火)自爆テロ

朝、ウェブをチェックしていたダンナが「WTC (世界貿易センター)に飛行機がつっこんだ」と言って、テレビをつけた。マンハッタン付近はたくさんの飛行機、ヘリコプターがいつも飛んでる。小型機でもつっこんだのかな? 画面を見ると2本あるWTC が両方とも煙を上げてる。んん? なんでー?

テレビの英語を必死に聞き取る。「テロかもしれない」「ハイジャック」「ペンタゴンが……」。なにが起きてるって? まさか? そんな!?

2機目の飛行機がWTC にぶつかった瞬間が写る。わざわざぶつかった??

男性リポーターがWTC を背景に話している。あの火はいつ消えるんだろう……などと思いつつ見る。ふと目をそらして再び画面に目をやると、南棟の姿がなくて、異常に大量の煙が広がっていくところ……。え? 崩壊したのだった……。ええ〜?? リポーターもしばらく後ろを眺めている。「南棟が……少なくとも一部が崩壊しました」。一部には見えない……。おととい眺めた、あの姿がなくなった?

怖い。悲しい。肩のあたりの力が抜け、胃が痛む。

もうあの姿はないんだ〜〜〜!?

少し泣いたし、強い喪失感がある。戦争中は毎日こんな思い──見慣れたものが永遠に失われていく──をしていたんだな、なんて考える。いまもっているもののありがたさを本当にはわかっていなかったんだな……。

ダンナは会社に出かけ、ミテはテレビに釘付けだったけど、しばらくしてうちの周りを散歩した。すごくいいお天気。ここはこんなにきれいで平和なのに……。空気がこんなに澄んでいるのに。信じられないよ。

家に帰るとダンナがいた。「仕事になんないから、オフィスは閉鎖になった」。そうだね、仕事してる場合じゃない。一緒にいられて嬉しいよ。

フラワーエッセンスを選んでみた。テキトーに選んで、効能を調べると「強力な変化を受け入れる」「ものの本質をよく見て、すべてを受け入れる」「混乱の最中に内面の静けさを取り戻す」など、本当に今必要なエッセンスだった。すごいもんだな〜。

事件に関して2つほどのメルマガが緊急号を届けてくれた。「私たちはみな光だ」「悲しみ、恐れ、怒りを光に変える力をみんなもっている」。こういう言葉に力づけられる。

ああ、なんかすごく疲れた。泣き疲れたあとみたいなぐったりした感覚。

今日来るはずだった換気扇の修理はついに来なかった。

目次に戻る


2001.9.12(水)怒り

WTC が燃え落ちる夢を見た。目が覚めた瞬間「夢で良かった!」と思う。で、我に返る。あれは夢じゃない……。

いつも怒りを表に出さないように暮らしている。だけど、内心はすごく怒りっぽい。ときどき爆発したり、ばれたりする。この日の朝もちょうどそこを衝いたメールが来た。相手も怒っているから、猛烈に腹が立って、即ゴミ箱に捨てた。なにもテロで混乱の極みってゆー、こんな時にこんなメールをしてくんなよっ。子どものときからの癖で「死んじゃえ」くらい思ったかもしれない(「殺してやる」とは思わないみたい)。

「神との対話」の著者ニールや「聖なる予言」の著者ジェイムズら5人連名のメールが回ってきた。「こういう時だからこそ、愛を選びましょう」というメール。「これから世界中のみんなで、新しい平和な世界を創造する祈りをしましょう」と。その中に「自分が怒っているのなら、怒っている他の誰かをなだめましょう」というくだりがあった。

え〜〜、犯人は許せても(知らない人だから)、ミテを攻撃するようなヤツは許したくないよ〜。それはさておき、この「祈りのメール」はホームページでも紹介したいな〜。でも、自分でも実践できない部分があるメッセージを載せるのは倫理に反するっつーか、心地悪いつーか。でも、黙ってればわかんないよな〜。どーしよ?

この日に来た大抵のメールはテロがらみだった。中には犯人に対して猛烈に怒っているというメールも来る。自分に向けられた怒りじゃないけど、すごくイヤ。居心地が悪くなってしまう。怖いと感じる。それでその人には「怒ってるね、こわいよ」と返事をした。

あ、そーか! ミテは怒りを恐れているんだ! 自分が怒ることも、他人が怒ることも。だから怒りを抑圧してしまい、ちょくちょく噴出するんだなぁ〜。いままでも何度も気づいてきたことだけど、また新しく気づく。ミテが激怒したメールの内容は「あんたって怒りっぽいんだね」という趣旨だった。認めたくないから、あんなに頭に来たんだな〜。それなら「そーだよ、怒りっぽい」と認めてしまえ。

腹をくくって、ゴミ箱から件のメールを取り出し、そういう返事を書いた。相手がどう受け取るかは関係ない。怒りっぽいことを認め、祈りのメールを添付して出した。すると怒りが消えたみたい。気持ちが楽になって、「祈りのメール」を訳してホームページに置いたり、知り合いに転送したりできた。

ほかにも許せない人はいっぱいいるから、できたら今日中にでも、もっと許す努力をしよう。

なんて考えながら読んだ「買い物しすぎる女たち」(キャロリン・ウェッソン著、講談社+α文庫)にこんな一節があった。「条件つきの愛情をうけて育つことのもう一つの副作用は、そのような愛情は、子どもが親に怒りを示さないことを条件に与えられるということである。健全に、そして直接的に吐き出される機会を失った怒りは心の中にたまっていく」。うーん、まさにこれ……。なんてタイムリーなんだ。

ヴァイオリンの練習をしたら、悲しくなった。「しあわせな時代が終わった」という思いがわいてくる。なにかをなくしたような感覚がある。レッスンはマンハッタン近くだから、道すがらWTC が見えるのだ。それでこんなに悲しくなるんだろうか?

そういえば先生はご無事だろうか? 音楽教室に電話をしたらわからない、とのこと。でも、お住まいがアッパーマンハッタン(現場から離れている)だから大丈夫だと思うって。じゃあ、直接先生の携帯にかけてみようとしたら、悲しくなって涙が出そうでかけられない。どうしよう。明日にしよう……。

一日中、テレビでニュースを見ながら、メールを書いたり、ホームページに手を入れたりしていた。夜、ダンナに「目のしたにクマができてる」と言われた。そーね、ほんとはクタクタなのかも……。

目次に戻る


2001.9.13(木)地球の旗

起きたら口の中がザラザラ。飲みすぎた次の朝みたいだ。寝不足。ドンと体重も減った(これは嬉しいニュースだが(^◇^;))。

空港で飛行機が飛ぶのを待っている人に、テレビがインタビューしていた。カリフォルニアに帰るという男性。「怖くないですか?」の質問に「いいえ、安全ですよ」と堂々と答えていた。すごいな〜、こういう人。

自分は大変なことを「大変だ」と認識する能力に欠けているような気がしてきた。「たいしたことない」と思いたいのだ。心配はするのにな……どこかでエネルギーをとめているから、こんなに疲れてしまうのか?

ゲリー・ボーネルの「光の12日間」を読んでいる。この事件は光の12年間(12日間じゃなくて、12年間との説がある)のできごと……だと思う。葛藤を手放して行こう……。

きのう「楽しい時代が終わってしまった」と感じたのは、ある意味で正しいのだろう。新しい時代、New Age がこんな形で幕を開けた。新しいことに対する不安や、古いものを懐かしむきもちはあって当然。だけど、今を楽しむことが大事かな。

昨日までは「平和を祈らなくちゃ」という気分だった。けど、ふっと「当然、平和になる」という確信になった。「光の12日間」のおかげか……? もしかしたら、さらなる混乱や苦しみがあるかもしれない。でも、10年、20年の後には平和な地球ができあがる。

テロも報復も、虐待も夫婦喧嘩もない、権力闘争のない平和な時代になるだろう。

星条旗をかかげる家や車が増えている。亡くなったのはアメリカ人だけではないのに……。「地球の旗」「世界の旗」「平和の旗」なんてのがあればいいのに。

目次に戻る


2001.9.14(金)誰に怒る?

昨日の夜、行方不明者を探す人たちのインタビューを見ていて涙が出てきた。事件直後をのぞいて初めての涙? やっぱりどこかで悲しみを堰き止めているのかも。

テロリストを許せるか、という質問が来た。どういうわけか、犯人には憎しみも怒りもわいてこない。知らない人だから? 会う人やメールをやりとりする人、テレビで動いてる姿を見る人には怒ったりするんだけど……。テロリストより、無愛想なレジ係に腹が立つ。想像力が足らないのかな。

あとは怒っている人(怒りを表現している人)にも腹が立つ。これは自己防衛なんだろーな。

今日のランチタイムは「祈りのとき」とブッシュが定めた。ロウソクをともして、10分ほど瞑想。怒る人に怯えている自分を見た。怒る人は自分に害を成すという恐怖感。とても怖い。だから、その人たちに怒る。

「許せない人」を順繰りに思い浮かべてみた。テロの実行犯はなんでそんなに怒っていたんだろう? 親戚のあの人は、どうしていつも不快な怒りを人にぶつけているんだろう。大うそつきだったあの人は、何かを恐れていたんだろうか?

ブッシュ……一番混乱している? ほんとはおどおど困っている? 許していこう、許す努力をしよう。これからは……。

目次に戻る


2001.9.15(土)WTC はどこにあった?

朝起きて、寝不足だとわかる。緊張している。

今日はヴァイオリン・レッスン。事件以来初めてマンハッタンを見ることになる。どうしよう?

現場付近からはまだ煙が上がっている。たしかにツイン・タワーはない。でも、どこにあったんだろう? 思い出せない……。煙が上がってなければ、テレビを見てなければ、なくなったことに気がつかないかもしれない……と思う。


ニュージャージー州を走る高速道路I-95 から現場

ミテの前は子どもたちのレッスンだった。ヴィクトリアの元気そうな声が聞こえて、ホッとする。子どもの無邪気な声。事件なんかなかったみたいな気分になる。先週と同じ日常がココにあるように思える。

子どもたちが行き、ミテと二人になるとヴィクトリアの声も沈む。ぽつぽつと事件のことを話す。やっぱりあの事件はあったのだ。2人の心に重い影を投げかけている。「眠れなくて……」「みんなそう……」……。


マンハッタンでも北の方は無事だからね!

レッスン後、日系スーパーマーケット「ミツワ」でヴィクトリアとばったり会った。お昼を食べようとしたら隣に座っていたのだ。挨拶だけして、それぞれ連れと話していた。席を立つとき、声をかけた。彼女は泣いていた……。そう、みんな悲しみを抱えている。

テレビでパレスチナの女性がこう言っていた。「私たちはすごく傷ついてきた。だから他の人が傷つくのを見るのはイヤだ。政府はバカなことばかりする」。テロを喜んだ人もいるだろうけど、こういう人もいる。むしろ西側で「似非平和」を味わっている私たちよりも、平和を願う気持ちは強いのかもしれない。

私が見ている世界はほんとうにアメリカ・日本の視点からだけだ。中東で何が起きていて、どんな人がなにを考えているか、知らない。涙が出る。

「報復を!」と言っているアメリカ人だって、怒りが鎮まったとき、戦争はダメだと思うかもしれない。報復を望んでいる人を非難しないように努力してみよう。

目次に戻る


2001.9.16(日)アメリカだけ?

事件のことばかり考えていてもなんなので、ドライブに出かけた。地図で見て名前が気に入ったHawk Mountain Sanctuary (Kempton, PA)。どんなとこか、わかんないけど、まずは行ってみよう!

ここは渡り鳥の通り道だったそうだ。その鳥を狙って、たくさんの人が鳥を撃ちにやってきた。「鉛玉の雨が降るようだった」とか。ある女性がそういう蛮行を見かねて、ここを狩猟禁止区域にした。世界初のサンクチュアリなんだって。

気軽にハイキングと思ったら、けっこう岩ばかりの急な道もあって、なかなか面白かった。今でも猛禽類が見られるらしい。

"God Bless America" というフレーズをあちこちで目にする。「神よ、アメリカを祝福して下さい」って気持ちはわかんないでもないけど、被害にあったのはアメリカ人だけじゃないよ。アジア人もアフリカ人もヨーロッパ人も南米人も……いろんな国の人が巻き込まれてるんだよ。「アメリカだけ祝福してよね〜」みたいに思えて気分悪いな。パールハーバーとか平気で言ってるしな。「いまは同盟国」なんて思ってるのは日本だけの片思いか?

アメリカ人の中にも反戦を訴える人は多いし、イスラエルのことを考え直すべきと言う人もいる。ジョン・レノンやジョーン・バエズの活動が実を結んでると思う。そっか、「アメリカ人」なんてひとくくりに考える方がおかしいか。長年の癖でなかなか深く根を張った考え方だとは思うけど。改めよう。

朝晩フジテレビ系の日本語ニュースがあって、無責任に「NY壊滅」なんて言っていて腹が立つ。事件の影響力は大きくて深刻だけど、面積から言えばNYCのごく一部が壊れただけじゃないか。

事実と違うことを言って、日本にいる人たちは不安になっちゃうじゃん。うんざりする。あるスポーツ紙の見出しは「ニューヨーク ワシントン炎上」だっけ? ここまでくると笑っちゃう……。

マスメディアは必ずしも真実を伝えない。というのは控えめな表現かな。鵜呑みにしないよう、もっと気をつけようっと。

目次に戻る


2001.9.17(月)いつもと違う

友だち2人と外でお昼を食べた。いつもと同じ街角、同じ風景。レストランはお昼時で、お客さんもそこそこ入っている。みんな食事を楽しんでる……ように思う。でも、「もう前とは違う」という思いが強い。もうあの日はやってこない、すべてが変わってしまった、という感じ。目には見えないけど、みんなそう感じている、と思ったりする。

昨日のドライブ。高速で車間距離が短かったりすると、運転してなくてもからだがこわばる。あ〜、死ぬの怖いんだなぁ、と思う。

目次に戻る


2001.9.21(金)ゴジラは昔から人気者?

楽器を出しっぱなしなのを忘れて寝てたら、ダンナが気づいて「しまってね」と言った。怒られた、と思って非常警戒モードに入ってしまう。「怒ってないよ」と彼が言っても頑なになって、なにもかもイヤになる。生きるのもイヤになる。死んでやる、とまで思う。さすがに客観的に見れるようになってきたけど、なんて深い傷があるんだろうとあらためて驚いてしまう。

小学校3年のときにはすでにこのパターンがあった。さかのぼれば、起源はもっと前にあるんだろう。このインナーチャイルドを癒してあげないとね。ああ、でも相手がダンナで良かった〜。同じようなオコリンボだったら、やっていけないな〜。

ものすごく無気力……。テロの影響は深い。

昨日ブッシュが演説をした。英語がもっとわかるといいなぁと思う。

「テロは自由への攻撃である」。そうか?

「世界の国家はわれわれにつくか、テロリストにつくか」。2つしか選択肢がなくて、どこが自由だ? これは脅迫だ。

アメリカのやっていることに苦しんでいる人がいる、ということじゃないのか? 今の経済のあり方では、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなっていく。このシステムを改善しなければ、平和なんてやってこない。

ブッシュが一段落しゃべると、会場にいる議員40人ほとんど全員が立ち上がって、拍手をする。なんだ、これは? ここに出かけて行って、「報復反対」というには勇気がいるなぁ。ベトナム、フォークランド、アフガン、湾岸、どれも失敗してるのにまた同じことをするのか?

演説後、アメリカ人キャスターが「ブッシュはこの9日間で、ほんとうにリーダーらしくなった」とコメントした。「強い」イメージに満足してるんだろう。

NYの事故現場を訪問しろ、というスタッフの要請に「私が行っても邪魔になるから……」と躊躇したブッシュの方が好きだけどな。彼はそういう人だと思うけど、立場上「強い人」を演じなくてはならないんだろう。なにを感じているかしら?

「歴史に残るスピーチだ」とも言っていた。良くも悪くも、残るかもしれないけど、ね。なんかヤダなぁ、あの雰囲気は……。「鬼畜米英」「挙国一致」「撃ちてしやまん」と言っていたころの日本と同じ味?

テレビでは軍隊の人材募集CMが増えた。実際志願兵が増えているという。ここんとこのリストラで職を失った人が流れたりするんだろうか?

ゴジラ・シリーズ(ハリウッド・ゴジラ以前の円谷プロ制作のヤツ。ここんとこ、テレビでやっていた。うちの大家さんも「白黒のころから見てるわ〜」と言ってたから、うんと昔からゴジラはアメリカに上陸していたらしい)は放送中止。街を壊していくイメージがいけないのかな。いまは刺激が強すぎるかもね。

目次に戻る


2001.9.22(土)アイザック・スターン

ヴァイオリニストのアイザック・スターンが亡くなった。81歳の大往生なのに、「まさか!?」と驚いてしまう。

渡米したときの機内で、彼が出た映画を見た。ハーレムの子どもたちが学校でヴァイオリンを教わり、カーネギーホールで演奏する、という映画。そのとき、初めてスターンを認識した。

カーネギーホールに、スターンの80歳を祝うコーナーが設けてあって、ますます彼のことを気にするようになった。

そしてテレビで見た「From Mao to Mozart」。スターンが中国を訪れて、音楽学校の子どもたちを指導するドキュメンタリー・ドラマ。すごい先生だな〜、すばらしい人だな〜と思ったの。

この夏にもカーネギーホールで彼のパフォーマンスがあった。「いつか行きたいね」と言ってたのに、遅かったか。残念……。

ああ、なにもかも変わっていく。またそう思っちゃった。

日本語ビデオ屋さんで「Sixth Sense」を借りて来た。霊が見えるけど、霊をこわがる少年。死ぬほど怖いけど、霊はなにかをしてほしがってるとわかっている。ブルース・ウィリスが「どうしてあげたらいい?」と少年に問いかける。

話をきいてあげる」と彼は答える。「ぼくもそうだと思う」とウィリスも同意する。

あ、これは!? San Jose のホテルで怖かったとき(霊がいたみたい)、ミテも「話をきいてあげなくちゃ……」と思っていたのだ。怖くて、混乱して、動揺していたのに……。おんなじこと? いままで確信できなかったけど、それでいいんだな。

目次に戻る


2001.9.25(火)オフィス閉鎖

ダンナは日本の企業「W社」の社員である。が、いまいるオフィスはアメリカ企業「への18番社」(仮名)のニュージャージー・オフィス。共同で仕事をしているので、間借りさせてもらっている。

「への18番社」にはリストラのウワサがあった。「NJオフィスの10%人員削減」という軽いものから、最悪オフィス閉鎖まで。実は先週の火曜日18日にリストラ案発表のハズだったのだが、テロ事件の影響を考慮して延期されていた。

いい知らせなら、テロ事件でショックを受けている社員を力づけるために、すぐにでも発表されるだろう。延期されてるってことは、最悪の事態? その通りだった。

ニュージャージー・オフィス閉鎖。およそ9割がクビ。残りの1割はコロラド州のオフィスに行かないかと提案があったそうだ。

もちろんダンナたちは「W社」の社員なので、首切りとは関係ない。でも、場所がなくなってしまうのだから、どっかに移らなくちゃならない。え〜、NJとお別れ〜?? せっかくできたお友だちともお別れ? 道もやっと覚えてきたところなのに〜!?

ほぁ〜、またまた無気力。やる気ない。鬱かもしんない。どんな感情を堰き止めてるのかな〜(無気力や鬱は感じるべき感情を堰き止めている状態)。

移動先がアメリカ国内だといいな〜。まだ日本には帰りたくない。日本は「現実」、こっちは「ロング・バケーション」という感じがあって、まだ現実には立ち向かいたくないのだ……。

目次に戻る


2001.9.26(水)怒りの表現

Sirius さんのホームページを見たら、怒りについて書いてあった。怒りを「感じること」と、「表現すること」は別だ、と。お〜、すごい! 納得!

そういえばそうなのだ。感じるときには、身じろぎさえする必要はない。表情すら変えなくてもいい。ただエネルギーが流れていくのを感じることができる。

そのあと、表現してもいいし、表現しなくてもいい。

いま、ちょっとわかってきている。今まで怒りを感じたときには「怒りの抑圧」をしていた。怒りを感じたとしても「理論武装」が伴って、ごちゃごちゃ考え事をしながら、怒りを小出しにした。理論武装をやめて、なにも考えないで、怒りを感じることもできるのだ。そして極めつけ。怒りを表現するかどうかは感じることとは別! これはすごい。

いまでも「怒りの抑圧」は自動的にされてしまうので、かなり意識して「怒りを感じる」努力が必要。だけど、だんだんわかってきた、って感じ。

目次に戻る


2001.9.27(木)UFO

夜、会社までダンナを迎えにいった。きれいな星空を見上げる。飛行物体も多いので、一瞬、星だか飛行機だかわからないときもある。

でも、あれはなんだろう? くるりと回ったり、スピードを変えたりしながら動いているものがある。やったー、久々にUFO だ〜。うれしくてずっと見ていたら、ダンナの同僚がやってきた。

挨拶しなくちゃ。でも、目を離したら、もう見えなくなるだろうな〜。空を見上げたまま「こんばんわ」と言ったのだが、二言三言、言葉を交わさざるを得ない雰囲気だったので、しぶしぶ相手の顔を見て話すことにした(失礼なヤツ(^◇^;))。

話が終わったら、やっぱりUFO はいなかった。その人を逆恨みしそう〜〜(-o-;。

目次に戻る


2001.9.28(金)うそつき名人

かつて一緒に仕事をした中に、すっごいうそつきがいた。仮に名前をヌラリヒョンとしよう。話は針小棒大。調べればわかってしまうウソでもついてしまう。天才的とも言えるうそもあった。

が、仕事上困ることもあってすごくいやだった。ミテはヌラリヒョンが大嫌いだった。軽蔑しきっていた。

ある時、10人ほどの会議を招集した。ヌラリヒョンが出席者に電話して、会議開催を伝えた。ところが議長ともう1人に連絡をしたのち、別件がもちあがって、残りの人へのお知らせをすっかり忘れた。

当日、議長が「体調が悪くて行けない」と電話をくれた。

そこへ、連絡を受けたもう一人が到着。「おや、ほかの人たちはまだ来てないの?」。

ヌラリヒョンは「しまった!」という顔をした。ほかのメンバーに電話するのを忘れたのだ。明らかに彼のミス。ミテはイジワルにも「ざまーみろっ!」と腹の中で快哉を叫んでいた。いい気味だ!

すると次の瞬間、ヌラリヒョンは「状況説明」を始めた。「実は議長が体調を崩して、お越しになれないのです。ほかの方には今日はキャンセルと電話したのですが、急なことであなたには連絡が間に合いませんでした。ほんとうに申し訳ありません」。

ヌラリは瞬時にこんなストーリーをでっちあげ、スラスラとほんとらしく言い訳していた。見事としか言いようがない。「よくも議長をだしに、そんなうそを言えるわねっ!」とヌラリヒョンをにらみつけると(口に出しては言えなかった(-o-;))、ばつの悪そうな顔をした。

こんなことが日常茶飯事で、いまでもヌラリは「嫌いな人ベスト10」に入っている。それがなぜか瞑想に出てきた。

あの時、ヌラリはとても怖かったのだ。自分のせいで無駄足を踏ませた。怒られたらどうしよう? 身を守るために、ウソをついた。ウソはヌラリの自己防衛機制。それというのも怒りを向けられることが、なにより怖かったんだろう。……なんだ、ミテと一緒ジャン。

このことがわかっても、ヌラリを全面的に許せたわけではないけど、許すとっかかりにはなると思う。

目次に戻る


2001.9.29(土)アジャスター?

バビ・ヤール虐殺(1941)キエフのバビ・ヤールでナチスがユダヤ人など3万4000人を殺す。のちにエフトシェンコが詩を書き、ショスタコーヴィチが曲にした。交響曲第13番。

ヴァイオリンのレッスン。ヴィクトリアに引っ越すことを伝える。ああ、離れたくないよ。4本の弦を全部取り替えてもらう。

コリアン系の中華を食べ(ほんとの中華、日本の中華とも違って、これがまたおいしい)、大道、ミツワで買い物。そのあとマンハッタンに行く。

楽器のE線につけるアジャスターを買う。日本の教本にはどれにも「アジャスター」と書いてあるけど、お店では「チューナーtuner」と言っていた。方言?

日本のキャスターは気軽に「NY壊滅」なんて言ってるけど、ほら、ちゃんと街は存在する。人々が暮らしてる。買い物をして、ご飯を食べてる。観光に来ている人だっている。

NJからの引越も決まったので、「今のうち」にオペラも見に行った。リンカーン・センターでモーツァルトの「魔笛」。なぜかあんまりオペラというモノには食指が動かないのだが、せっかくNYの近くにいるんだもん。できることはしておこうって、感じ。

これはテロリスト・アタックの教訓と言ってもいいかも知れない。実は世界貿易センターには一度も行ってない。目と鼻の先だもん、いつだって行ける……って思ってたのさ。でも、もう、ない。

「魔笛」は英語だった(もとはドイツ語)。ちゃんと字幕もつくので(英語の)、けっこう意味もわかった。けどやっぱり、モーツァルトがなにを意図してるのか、ちんぷんかんぷん。次から次へと疑問のわくオペラだったのでした。

目次に戻る


2001.9.30(日)石展

フランクリンでまたもや石展が。今回はお友だちも誘って行ってきた。でも……寒かった〜。風が強くて、さすがに屋外は辛い! でも駐車場係さんとかはずっと外にいるんだよね。頭が下がります。

美しいマラカイトと、水晶を購入。小さめだけど、ルチル入りのダウ・クリスタルが10ドルくらいであったの♪ ああ、ステキ。

フランクリンのミュージアムにも行ってきた。期待してなかったんだけど、楽しかった。石のコレクションをみていたら、とってもステキなおじいさんが説明をしてくれた。あたたかいエネルギー。コレクションも「NYの自然史より断然いい」と伝えると、ニコニコと喜んでくれた。楽しかったなぁ〜。

Franklin Mineral Museum
32 Evans St.,
Franklin, NJ 07416
Sussex County
Tel:973-827-3481, Fax:973-827-0149

次に進む 目次に戻る

inserted by FC2 system