2002.3.17 更新

2001.12.1(土)みんなシャイ!

ヴァイオリンのレッスン。来週の土曜日、ヴィクトリアはコンサートで弾くんだって。中学生(高校生?)オケがコンチェルトをやるので、ソリストをつとめるの。ぜったい行くね!

「そういえば、金曜日にタケザワ恭子さんの演奏会に行ったの」と言うと、「わぁ〜、ワタシのコンサートには来なくていいわ!」。まったく〜、ミテには「自信をもって弾きなさい」って言うのに!

そういえば、うちのダンナだって「コワイからやだ〜」と嫌がるミテを学校に入れたくせに、「チェロの先生もいるんだって。どう?」と勧めると、「コワイからやだ〜」。

ピアノの先生であるマルコさんによると、大人の生徒は人前で弾くのを嫌がるんだって。発表会にも出ないことが多いらしい。なーんだ、ミテだけがはずかしがり屋なんじゃなくて、みんなそうなんじゃん!

「あんたなんかキライ」と書いたものがミテに届くよ、と同級生が知らせてくれた夢を見た。そんな紙切れを見たらイヤだろうなぁ……。どんな夢なんだ。

夜は大勢でアーサーズにステーキを食べに行った。予約ができない人気店。みんな外で待つんだよ。でも今年は寒くないから、外にいられるよね。ココのメニューはあんまり選択肢がなくて……24オンスか48オンスか! 1オンスはおよそ30グラム。計算してみてね! おいしかった!!

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2001.12.2(日)人前で弾く

発表会! 緊張した〜。ほかの人もメチャクチャ緊張してた。前の晩、よく眠れなくて、いざ本番には眠かったよ。

聴衆がたくさんいて、どんどんあがった。あがってる人が弾いてると、聴いてて緊張する。うまい人だとちょっとリラックスする……かな? 順番を決めるとあがっちゃうでしょ、ってことで、「次はワタシ」と手を挙げる方式だった。どんどんみんな弾いてしまう! ダンナは「早く弾け」って怒るし(;_;)。

とうとう最後から2番目くらいに弾いた。弾き初めてすぐ、アタマの中が真っ白になって演奏がとまっちゃった。「ごめんなさい」と初めからやり直し。これでちょっと緊張が解けた。

みんな一通り弾くと、簡単な曲を数人で合奏。あんまり練習してなかったから、イイカゲンにしか弾けなかったけど楽しかった。そう、楽しかったな。

ヴィクトリアのおかあさんが来ていて、お話をした。3人子どもがいて、それぞれピアノ、ヴァイオリン、チェロ弾きなんだそうだ。す、すごい……。チェロ弾きの弟さんはコンクールにも出たことがあって、そのためにモスクワにも行ったとか。しかも♪ そのとき、ショスタコのチェロコンを弾いたんだって!!! 「私はモーツァルトとかが好きなのに、『たたたた〜(そみしし〜)』(パパのチェロ・コン#1の冒頭)なのよ」と歌ってくれた。うふふうふふうふふ! ここでこの一節が聴けるとは思わなかったな〜。うれしい。

閑話休題。

友だちのダンナさんは、奥さんが外出すると怒るんだって。別のダンナさんも「いいな〜、自分ばっかり楽しくて」って、思うんだって。でも、そんなことで怒るのは理不尽とわかってるから、奥さんが「そうなんだ。ありがとう」って言ってあげればいいそうな。

その話をダンナにしたら、「ミテが外で遊んでばかりいると……、滞在記が読めない!」だってさ。

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2001.12.3(月)チェスター

雑貨屋さんがたーくさんある、という町チェスターに行く。え? え? え? それは……どういう町? 行ってみてわかった!

小さな町なの。そこのメインストリートに立ち並ぶ雑貨屋さん。町自体が「クラフトの町」と言っているらしい。いっぱんに女性は雑貨が好きだけど、男性は興味もたないじゃない? だから夫婦で出かけると、ゆっくりしてられない。でも、今日は女性ばかり。「かわいー♪」を連発しながら、堪能したのでした。クリスマス・シーズンでもあるし〜。

もっと早く知っていたら……! いろいろ買い込んじゃったかもしれないね(*^_^*)。

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2001.12.4(火)なにしてる?

マンハッタンからお友だちを迎え、新しいチャイナ・バフェでご飯を食べる。途中、ある会社の芝生にグースの群がいた。

「あれはなに!? なにしてるの!?」。大都会から来た人が驚いてくれると、すごくうれしい〜。「あれはカナダ・グース(雁)。なにしてる……」。う!? なにしてる……うーむ。存在してる。生きている。餌食ってる……。なかなか答えにくい質問だな〜。

夜、会社までダンナを迎えに行く。まだやることがあるというので、オフィスの中に入る。入り口の受付で名前などを書き、ふだんなら入館証をくれるんだけど、今日はなし。「あれ? バッジは?」と聞くと、「もうなにもないから、いらないよ」。オフィスの引越も進んでるんだもんね……ああ、ここもなくなっちゃうのだ。

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2001.12.5(水)アーミッシュ

お隣ペンシルヴェニア州にランカスターという町がある。アーミッシュが住んでいることで有名だ。アーミッシュはキリスト教徒で、昔ながらの生活を堅持している。電気を使わず、車を運転せず(人に乗せてもらうのはオッケー)、畑を耕すのも牛や馬の力を借りて行う。服装もアメリカ入植当時(たぶん)のままだし、町なかをバギー(馬車)で行き来している。

アーミッシュ自体は観光目的に暮らしているわけではなく、ただそこで暮らしているにすぎない。でもアーミッシュを紹介する博物館やギフトショップ、レストランがあり、アーミッシュ以外の人がアーミッシュのおかげで観光産業を営み、暮らしている……感じ。

「そばなんだから、行こうよ!」とダンナ。12月とはいえ、あたたかなうららかな日でございました。

なになに? アーミッシュの食事ができるレストラン。大きなテーブルにお客さんが相席して、和気藹々の雰囲気で食事ができる……。英語しゃべるのか〜、やだな〜。でもなんとかなるか……。受付でチケットを買う。「dinnerね」と聞かれた。え? 晩ご飯じゃなくて、お昼を食べたいの〜。ところがお昼でもディナーというのだそうだ。へぇ〜、そういうもんなんだ(のちにコロラド在住のアメリカ人にきいたら、「ちょっと変な用法」と言われた(^^;)。

すでに長いテーブルに十数人がついていた。平日の昼間だからか、年輩の方ばかり。心配するまでもなく、あんまりおしゃべりな人たちではなくて、どっちかというと黙々と食事が進む。アメリカ人だからって、みんなが賑やかなワケじゃないもんね。

大きなお皿に一品ずつ料理が盛られ、みんなでお皿を回して取って食べる。コーン、ザワークラウト、フライドチキン、シチュー、マッシュポテト……などなど品数も多かったし、みんなで食べても余るぐらい。Pennsylvania Dutch Foodsというらしい。

同じように宗教集団で暮らしているハッテライトという人たちは、キャベツばかり食べているなんて聞いていたので、比べると豊かな食生活だな〜。そこそこおいしくて、満足。隣のテーブルには賑やかな人がいて、おしゃべりに花が咲いていた。

Good'n Plenty Restaurant
Rt. 896 -- Smoketown,
Lancaster County, PA 17576
TEL: 717-394-7111

次にミュージアムに行った。むかし実際にアーミッシュの家族が住んでいた家を博物館として公開しているの。家具や服もおいてあって、ガイドさんが説明しながら見せてくれる。季節はずれなので、私たちと一人のアメリカ人だけ。ゼイタクね♪

ベッドはマットレスではなく、縄を縦横に渡した上に夜具を置いたものだった。でも、これはアーミッシュ独特のベッドではなく、昔はみんなそうだったんだって。同行したお客さんが「ボクの小さいころはこんなベッドだったよ」。へえ〜! 聞いてみるもんだなぁ。

ボタンは贅沢品ということで、女性の服にはボタンがない! 虫ピンでとめてあるだけなの。着るのが大変じゃない!? 刺さらない!? 男性の外出着にはボタンが付いてるのに! 男女差別じゃないの? なんていろいろ考えちゃう。「アーミッシュは税金を払ってない、と誤解されてますが、ちゃんと払ってるんですよ」という説明もあった。そう誤解して非難する人もいるのかもね。

ガイドさんはもちろん英語だったけど、各国語の説明文カードの中に日本語もあった。どれくらい正しく聞き取れたかな〜? カードを読んで確認。ここには日本人もたくさん来るのね。

家の外は牧場で、馬や豚や孔雀(!?)が。のんびり動物を眺めて嬉しかった〜。

さて、帰ろう! すぐには高速に乗らずに、一般道を行く。ちらほらとアーミッシュの人たちを見かける。学校帰りの子どもたち、バギー、畑を耕している人。電線の引いてないお宅はアーミッシュの家。風景の一部なのね。

夜は約束があった。ダンナがマルコさん、カレンさんと合奏するの。ピアノとヴァイオリンとチェロ。トリオね。ミテもついていく。カレンさんのお宅は大きくて、家具もステキ! でもイギリス人の彼女に言わせると、「家がバカみたいに大きすぎる!」。お子さん二人が二つずつ部屋を使っても、まだ余っちゃってるそうな!

カレンさんは楽譜をたくさんもっていて、3人は次々に弾いていく。「あれ?」「できない〜」「やだ!」とか言ってるし、「全然ダメ〜」とも言うんだけど、ミテから見るとスンゴイ〜! はぁ、楽しそうだな〜。こんなことができたらいいだろうなぁ。

カレンさんはしきりに"What a shame!" って言ってる。shameは恥ではなくて、「残念」。マルコさんはカリフォルニアに、うちはコロラドに行ってしまうから、これが最初で最後のトリオ……。

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2001.12.6(木)お屋敷訪問

ここアメリカ北東部はヨーロッパから近いこともあって、古い町、古い建物が多い。一戸一戸個性的なステキなお屋敷もわんさか。「ああ、中はどうなってるのかな〜?」。好奇心はあっても、「見せて下さい〜」なんて見も知らぬ人には頼めない。するとお友だちが誘ってくれたの! 隣町サミットでハウス・ツアー! お屋敷の中に入れるのだ〜。毎年の恒例行事で、今年は7軒。ふだん人が住んでいるお家。この日だけ住人はどっかに避難して((^^;)、一般の人に公開してくれる。なんて太っ腹なんだろう〜。

楽しみだなぁ〜、公開して下さった方、ボランティアの方、ありがとう〜! 入場料は20ドル。写真禁止、子ども禁止、土足禁止。スリッパを持参すること!

時節柄、クリスマスの飾り付けがどの家にもしてある。クリスマス用の食器類、クリスマスツリー、屋外の電飾。おしゃれな家もあるし、やりすぎの(^◇^;))家もある。100年経ったお家、70年前にできたお家。みんな違っていて楽しい! 「わぁ、きれい〜」「わぁ、ひろい〜」「わぁ、ステキ〜!」「いいなぁ〜」。はぁ〜、ため息だよ。

あるお家のテラスからはマンハッタンが遠望できた。あの日、この家の人はここからずっと見ていたのだろうか……。

平日の昼間だから、参加者はほとんど女性。チケットに地図が書いてあって、それぞれが好きな順番で家をまわる。私たちはお友だちの車にぎゅうぎゅう詰めになって回った。みんな車でまわるから、駐車スペースを考えると1台でも少ない方がいいのだ!

地図はかなり簡略化してあって、ときどきわかんなくなってしまう。一人、とても方向感覚の鋭い人がいて、彼女はたいてい正しかった。すごい! ミテはというと……ちょっとでもわかんないとすぐに諦めてしまうのだった。ちょっとした手がかりからでも推理しようっていうねばり強さはないのね〜。どうせ、誰かがやってくれる、という思い。間違えたら恥ずかしい、という思い。

夜は大家さんのウェンディとジョンをご招待。最初で最後のご招待。床に座ってもらって、鍋をした。目の前で煮ながら食べるのを、とっても面白がってくれたの。茶碗蒸しと枝豆と炊き込みご飯と。

枝豆は大豆だって説明したからか、手を着けてくれなかった。大豆って、多くのアメリカ人にとっては家畜の餌ならしいのね。冷凍の枝豆を売ってるスーパーもちらほらあるんだけどね〜。

ああ、でも。この大家さんでよかった! ウェンディとジョンに会えてよかった。ほんとにありがとう! ぜったいに忘れない。

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2001.12.8(土)先生の演奏会

ヴィクトリアのレッスンも今日を入れてあと2回。ダンナの要望でサード・ポジションを教えてもらう。これを理解したら、幅が広がるってことで。

夜はヴィクトリアのコンサートがある。いったん家に帰ると時間が半端なので、フォート・リー周辺をうろうろして時間をつぶす。夜には雨が降ってきて、寒くなる。あいにくの空模様だな〜。

コンサート会場のそばに回転寿司がある。テレビでCMを流してたから、一度行きたかったんだ〜! ティーネックという町は初めてだったので、ちょっと迷ってしまった。けっこう満席。

新庄のサイン色紙も飾ってあったよ。でも、彼はお魚がダメだそうで、店に来たわけではないんだって。残念!

演奏会場は中学校。アトリウム(講堂)で行われた。早めに到着してうろついていたら、ドレスを着たヴィクトリアにあった。ああ、なんかミテが緊張してしまう〜。

モーツァルトのヴァイオリン・コンチェルト。ああ、神さま! ドキドキ! ヴィクトリアもちょっと緊張していたのかもしれない。オケが下手でハラハラしちゃうし、しばらくそういうことに気を取られていた。でもカデンツァからがぜん調子が出てきて、ひきこまれてしまった。

聴きながら、彼女とすごした数ヶ月を思いだして、涙が止まらなくなった。会えてよかった。ありがとう! 貴女に会えて、ほんとうに幸せだ……。ミテには弾けない、オチコボレだっていう思いを覆してくれた。下手なりに、弾けるようになっていくんだね。とっても楽しかった……!

帰りの車でダンナがぼそっと言った。「モーツァルトはコワイと聞いてたけど、はじえめてどういうことかわかったよ。ヴィクトリアがいなかったら、オケ、崩壊してたね」。げにげに!

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2001.12.10(月)荷物搬出

日通の引越屋さんが一時間遅れで到着。電車の高架下が通れなくて、道に迷ってしまったらしい。「どこなら通れるか、ご存じですか?」。うーん、高さ制限なんて考えたことない。ミテはお手上げだけど、ダンナは色々思いだしてアドヴァイスしてる。えらいのぉ。

お任せパックなので、梱包からやってくれる。さすがに石たちの梱包は自分ですませておいたけれど。来てくれたのは5人。一人が日本人、一人がアジア系の女性、あとはヒスパニック系の男性。

うちは家具付きだから、大家さんのものと自分のものとを区別しなくちゃならない。ウェンディのものをもってっちゃいけないもんね。それをわかりやすく指示するには……。日通さんは「もってくシール」と「おいとくシール」をくれた。家具や絵などにはこれを張って、オッケー。キッチンなどの細々したものは、工夫が必要。おいておくものは全部キャビネットにしまって、キャビネットを封印。外に出てるものは全部梱包してね、とお願いした。

作業中にジョンが敷金の小切手をもってやってきた。これ幸い! 「コンピューター・チェアを売ってほしいんだけど……」と切り出した。コロラドの部屋には家具がない。このコンピューター・チェアは「新しいのを買ったから」とある日、ジョンがもってきてくれたものなの。お家にいらないのなら、売ってくんないかな〜? すると"OK! Just take it." ただでくれた! ああ、ジョン、ありがとう!

うちは本やCD、書類が多くて、荷物がたくさん。加えてコロラドのお店にはなかった日本食料品も(アサヒ、サッポロビールはあるけど、ヱビスビールはない、とかね)携えていくから、マルコさんちやヨッシーのお家より断然量が多くなっちゃった。うぉ〜! シンプル・ライフを目指したいのに、家具もないのに、なんでだ〜っ! 午後4時半に終了。トラックは行ってしまった。

食器もオーヴン・トースターもタオル類、テレビ、CDプレイヤー、寝具も備え付けなので、まだここで暮らせる。とは言っても……部屋はがら〜〜ん……。

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